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落語家の本音 日本で唯一の演芸専門誌が50年かけて集めたここだけの話

林家彦六/〔ほか述〕 「東京かわら版」編集部/編
著作者
林家彦六/〔ほか述〕 「東京かわら版」編集部/編
メーカー名/出版社名
朝日新聞出版
出版年月
2024年12月
ISBNコード
978-4-02-252022-7
(4-02-252022-1)
頁数・縦
479P 19cm
分類
文芸/エッセイ /エッセイその他
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価格¥2,700

出版社の商品紹介

出版社からのコメント

昭和の名人から令和の爆笑王まで。半世紀にわたる巻頭インタビューから厳選した、落語家の珠玉の言葉。柳家小さんあたしがまだ若い時分にね、師匠連中が「お前、夜よく寝られるか?」てェから、「ええ、よく寝ます」てェと、「いいなあ、お前たちはよく寝られてなァ」なんて言われたことがあったけどね。自分がその位置に来て、色々と悩んでいる時にぶつかるとね、本当に夜寝ちゃあいられないン。夜中飛び起きて、しぐさをやってみたり、しゃべってみたりね。それで夢ん中で受けるんだ、バーッと。いいくすぐりだなあ、なんて思って、起きて考えてみるとちっとも良くなかったり…(笑)。そのぐらいでなきゃあ駄目なんだ。上手にはなれないン。桂歌丸私は楽をしたいから苦しい思いをしているんです。苦しい思いをしないで楽しようなんてそうはいきませんからね。じゃあ、歌丸はいつ楽になるんだと聞かれたら、目つぶった時だ、と答えますがね。それが噺家になった以上、果たさなきゃいけない責任だと私は思ってますからね。立川談志一期一会の、その時のフィーリングが見事にできればいいけども、できない場合は無惨な状況で終わる可能性がある。もっともずっとその刃渡りすれすれの芸をしていたわけですけれども。だけどその刃渡りで、見事に渡ったというのが、まあ三度に一度くらいあれば、続けていけるけれども、その都度、転がり落ちるようなことになれば、当然やめるでしょうね。ただ、問題はやめられるかって問題なんです。人間の業みたいなものでね。古今亭志ん朝生きて、自分がそれをはたして分かりやすく理解できているかどうか、これが一番問題になりますよね。だから逆にね、妙に新しいものに直すよりは、古いまんまの形でした方が、かえって新しい場合もあるしね、それはその都度、その噺に対する自分の解釈のしかたひとつじゃないかしらねー。えー、だから、その昔のまんまこういう風に教わったから、そのまんまってんでは、それこそほんとに現代とギャップが出来ちゃうでしょう。柳家小三治おれたちはねェ、金があるのないの、家を建てた建てないのって、そんなことじゃなくて、ただ好きで(噺家に)なったと思ってるんですよ。それを好きでいる限り、どんな暮らしをしてたって、貧しくはない。だから、「芸術家に貧乏はいませんわ」って言葉に嗚咽してしまった。三遊亭円丈古典落語は滅びない。 …(略)

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